SF映画

宇宙や未来の世界、異生物との遭遇など空想の世界や出来事を扱った映画をさす。フランスのジョルジュ・メリエスによって1902年に『月世界旅行』が発表されると、そのトリックの斬新さで世界的な大ヒットとなり、SF映画という新しいジャンルが生み出さる。
第二次世界大戦によって急速に発達した科学技術は人類の目を再び異世界へと向けさせる事ととなり、ジョージ・パルが50年に発表したSF映画『月世界征服』のヒットを皮切りにしてハリウッドではSF映画が再びブームとなるが、『未知との遭遇』や『E.T.』のような人類と宇宙人の交流を描いたファンタジー色の濃いものではなく、冷戦による共産主義への恐怖を反映した宇宙人の侵略物[『地球の静止する日』、『宇宙戦争』、『ボディ・スナッチャー / 恐怖の街』]や、核実験による突然変異体が人間を襲う映画[『原子怪獣現わる』、『放射能X』]が主に製作されて当時の世相を反映する。

怪奇映画

人間の想像を絶する恐ろしい怪物と人間達の対決を描く映画。最初の怪奇映画は映画の創生期にメアリー・シェリーの小説を基にトーマス・エジソンが製作した16分の短編『フランケンシュタイン』だと言われている。
ドイツ映画の『カリガリ博士』がヒットすると、ハリウッドでもユニヴァーサル社を中心に怪奇映画が作られ始め、「千の顔を持つ男」の異名を持つロン・チャーニー主演の『ノートルダムのせむし男』や『オペラ座の怪人』が人気を博す。
31年にユニヴァーサルが製作したベラ・ルゴシ主演の『魔人ドラキュラ』と、ボリス・カーロフ主演の『フランケンシュタイン』は大恐慌に苦しむ人々の共感を呼んで共に大ヒットを記録し、怪奇映画というジャンルをハリウッドに定着させ、狼男、オペラ座の怪人、キング・コング、半魚人といった様々なモンスターを主人公にした怪奇映画が続々と製作される。
特に、死への誘惑を象徴する「ドラキュラ」、神の領域を犯した人間の愚かさを象徴する「フランケンシュタイン」、そして人間の野性の本能を象徴ともいえる「狼男」は、怪奇映画の三大モンスターとして長年にわたって人気を博す。

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