AIP

50年代から80年代にかけてB級映画を製作、配給したスタジオ。サミュエル・Z・アーコフとジェームズ・H・二コルソンによって54年に設立されたARC(アメリカン・リリーシング・コーポレーション)が前身となり、56年に社名をAIP(アメリカン・インターナショナル・フイルムズ)に改称する。
当時映画界を脅かしていたテレビに対抗するため、映画人口の大半を占める10代の若者たち向けに製作したB級映画を、ドライブイン・シアターを中心に配給する新たなダブル・フューチャー(二本立て興行)を確立し、『戦慄!プルトニウム人間』や『アッシャー家の惨劇』など若者に人気のSF映画やホラー映画などをロジャー・コーマンやバート・I・ゴードンらに少ない予算で製作、監督させて高収入を上げる。

60年代に入ると海外との合作や、海外で製作された作品の配給にも力を入れるようになり、日本のゴジラ・シリーズを輸入してアメリカで配給する。
また、若い映画人に活動の場を積極的に与え、マーティン・スコセッシ、ジョナサン・デミ、フランシス・フォード・コッポラ、ウディ・アレンといった現在ハリウッドで活躍する名監督たちにデビューの機会を与えた。しかし、70年代になると業績は次第に悪化し、79年にはフィルム・ウェイズ社に併合された。

映画芸術科学アカデミー

映画界の芸術や技術研究などの向上を目的に設立されたハリウッドの非営利組織。1927年5月11日にスタジオ経営者のルイス・B・メイヤーやアーヴィング・G・タルバーグ、女優のメアリー・ピックフォード、興行主のシド・グローマンら36名のハリウッドの有力な映画関係者によって設立され、初代会長には俳優のダグラス・フェアバンクスが選出される。
設立当初の真の目的は、スタジオの労働者を統括して、労働組合の結成を阻止することだったが、現在の主な活動内容はフィルム、書籍、スチール写真、ポスター、脚本など映画関係資料の保存や活用、そして初代会長フェアバンクスの発案で翌28年から始まり、今では年に一度のハリウッドの祭典となったアカデミー賞の授与などである。

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