ハードボイルド
ハードボイルドとは英語では堅くゆでたという意味で、ゆで卵などに使われるが、この言葉が文学の世界でもダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラー、アーネスト・ヘミングウェイなどの小説に見られる探偵や警官、または職業犯罪者たちを主人公に感情を排除したクールで乾いた文体を特徴とした文学に使われるようになる。
ハメットとチャンドラーたちの活躍によってハードボイルド小説は市民権を獲得し、ハメットが創造した一匹狼の私立探偵サム・スペードの活躍を描く『マルタの鷹』の映画化によってハードボイルドの世界は映画にも進出する。
この作品でスペードを演じたハンフリー・ボガートは孤独で冷徹ながも正義感溢れる新しいタイプのヒーローを演じて新境地を開拓し、引き続きヘミングウェイの小説を映画化した『脱出』では自由のために戦う船長、チャンドラーの小説の映画化『三つ数えろ』では私立探偵フィリップ・マーロウを演じてハードボイルドの代名詞となる。