パニック映画
複数の登場人物たちが火事や地震などの自然の災害、または船の沈没や飛行機の墜落などの人為的な災害から脱出する様を描いた映画をさす。
ダイナミックなアクション・シークエンスに、登場人物たちのさまざまな人生の交錯を絡み合わせたプロットがパニック映画の魅力であるが、最終的に映画の成功を左右するのは、劇中最大の見せ場となる、その時代の最高の特殊効果が駆使されたリアルな災害のシーンである。
ハリウッド黄金期にはクラーク・ゲイブルを主演に迎えてサン・フランシスコで起こった地震を描いた『桑港(サンフランシスコ)』や、当時としては最高の制作費(180万ドル)をかけて1871年に起こったシカゴの大火災を描いた『シカゴ』などのパニック映画が製作された。
70年代になると『大空港』の大ヒットによって再びパニック映画がブームになるが、豪華客船の沈没を描いた『ポセイドン・アドベンチャー』や、高層ビルの火災を描く『タワーリング・インフェルノ』といった70年代の大掛かりなパニック映画は、ドラマよりもアクションや災害シーンに力を入れているのが特徴である。