アンダーグラウンド映画
1940年代から60年代にかけて映画の都であるハリウッドの外で製作され、前衛的で商業映画ではタブーとされるテーマやストーリーを扱った映画をさす。
日の当る(注目を浴びる)場所であるハリウッドで製作する映画人とは反対に、アンダーグラウンド映画の作り手たちはあまり注目を浴びず、人の目につかない場所である地下 (アンダーグラウンド)で活動する印象を与えるためにこう呼ばれた。
また、彼らの本拠地がニューヨークであったため「ニューヨーク派」、または「オフ・ハリウッド派」とも呼ばれている。
黒人問題扱った『アメリカの影』で一注目を浴びた監督で俳優でもあるジョン・カサベテスや、眠る男を8時間にわたって記録した『眠り』を撮ったポップ・アーティストのアンディ・ウォーホルたちがニューヨークを中心に活躍し、彼らの作風は後に本場のハリウッドにまで影響を与えるようになる。
一人称映画
キャメラが主人公の目になって動き、観客は始めから終わりまで主人公の視点から観賞する映画を指す。
オーソン・ウェルズがこの斬新なテクニックを使ってジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』の映画化を試みるが、予算の関係で失敗に終り、47年に製作されたロバート・モンゴメリー扮する名探偵フィリップ・マーロウの視点からストーリーが進行する『湖中の女』がこのジャンルのはしりとなる。
この映画の出来があまり良くなかったため、この作品以後一人称映画はあまり作られなくなるが、キャメラがキャラクターの目になって動くという手法はキャラクターの感情表現や観客の恐怖感を煽るのに適しており、同年の『潜行者』や『13日の金曜日』シリーズなどのサスペンスやホラー映画に多用される。